PMDG 777シリーズに、SERVICE BASED FAILURESなるものがあります。みなさんはお気づきでしょうか?またみさなんはENABLEにしていますか?
私は何気なくおもしろそうだからENABLE (ON)にしていたのですが、これ結構面白いので分かったことを記事にしました。
まず、このSERVICE BASED FAILURESですが、通常フライトをこなしているだけではなんの恩恵もありません。いつこれが影響するのか、それはランダムです。
しかしながらRANDOM FAILURES とは全く違います。
なにが違うのかというと、故障が機体システムの信頼性に依存しているということです。
適当なグラフで恐縮ですが、だいたいこんな感じのグラフです。
これは「バスタブカーブ」と呼ばれています。故障率に関する一般的なグラフです。
まず、システムをはじめて動かすときには、初期不良という障壁を乗り越えなければなりません。目には見えなくても、エラーには出なくてもはじめての1回目というのは、人間だけでなく、システムも苦手という傾向があるそうです。この期間は特に人による監視が重要です。
そして初期不良を乗り越え、時間が十分に経過すると、システムは安定(定常)状態となります。日常メンテナンスを行っていれば、システムが自発的に問題を起こしづらい期間となります。0ではありませんが、なにかミスがなければ壊れる可能性が低いです。
さらに時間が経過すると、今度は経年劣化という観点で、システムの故障確率が高くなるということです。
これらを示したのが上のグラフです。とはいえ、PMDG 777がどこまでこれに忠実にシミュレートしているかは、私には定かではないですが、SERVICE
BASED FAILURESはこのグラフに近いと思いました。
SERVICE BASED FAILURESにおいて、故障の発生確率はSERVICE (=メンテナンス) 、つまり 時間変化 + 確率 に依存していると思います。
あと何時間でSERVICE (=メンテナンス)が行われるかは、センターのコンソールにあるFMS(Center) のこのページで確認することができます。
MENU > PMDG SETUP > AIRCRAFT > FAILURES > ALL SYSTEMS >
ALL SYSTEMS 以外にもさまざまな項目(APU, AUTOMATIC FLIGHT, DOORS など)があると思います。今回はさらに
ALL SYSTEMS > MAINTENANCE
に進みます。ここに記載の時間が0になるにつれ、メンテナンスが近い = その機種でのフライト時間が多い = 故障が起きやすい ということになります。
現に私は、特段何かをしたわけではないのに、右エンジンのブリードエアが故障したことがあります。
試しにそのまま飛んでみましたが、ブリードエア自体2系統あるので、片側に異常があっても飛ぶこと自体はできました。普通は機材整備をするか、欠航になるはずです。
万が一2系統すべてのブリードエアが停止するということは、機体のエアコンおよび圧力管理に問題がおこります。この場合はかなり厳しいです。
おそらく飛行中、ブリードエアが1系統でも故障した場合は、酸素マスクを下ろし、スポイラーをあげ実用最大限の降下率で高度1万フィート以下まで降下します。(推測ですが…調べきってなくてすいません、本題はPMDGですので、話を戻します(笑))
そしてあのときのブリードエアの故障は、SERVICE BASED FAILURESに起因するものでした。
R ENG PRSOV VALVEの故障で、ブリードエアが供給できなくなっていたそうです。
このときは、プッシュバックのあとにエンジンを始動し、発生を知ることができました。特にブリードエアに関しては、エンジン始動後にRecallに警告として表示されるので比較的気付きやすいです。
ということは…SERVICE BASED FAILURESをENABLEにすると、もちろんRecallで気づけないような異常もシミュレートされるということになります。たとえば”NOSE TIRE BALANCE”なんかがそうです。SERVICE BASED FAILURESをオンにしているとしばしば出会う故障です。
しかしながら、この故障、Recallには表示されません。どこでこれを確認するか、先ほどの
MENU > PMDG SETUP > AIRCRAFT > FAILURES
で確認するとこができます。このページで1行目が”ACTIVE 1”となっている場合、見た目には異常がなくとも、何かの故障がシミュレートされているということになります。
先の故障、”NOSE TIRE BALANCE”がシミュレートされている場合、Recall上はと問題ないように見えますが、この故障が有効になっているということになります。
メンテナンスをした方が良いに越したことはありませんが、フライトシミュレーションの世界では、この”NOSE TIRE BALANCE”がACTIVEだからと言って直ちにフライトに問題が生じるわけではないです。
私は大体念頭に置いておいて、フライトを続行してしまいます。
しかしながらブリードエアなどの故障は、フライトシミュレーションの世界であっても見過ごすことはできません。
このようにACTIVEのままでは都合が悪いということもあると思います。その場合は、
MENU > PMDG SETUP > AIRCRAFT > FAILURES > ACTIVE 1
より、直したい故障を選択してDISABLEにすればその故障を無かったことにしてくれます。要するに修理したことになります。
右下のCLEAR ALLを選択すれば、すべての故障修正することになります。
なお、故障を一時的に直したとしても、フライト時間の累計値(次のSERVICEまでの時間)はリセットされないので注意してください。
次のSERVICEまでの時間が短いと、またすぐに故障する可能性があります。
ブリードエアなど、フライトシステムに大きく影響するようなFAILUREが起こったときは、このようにして出発前にDISABLEにしておきましょう。
大切なのは、飛ぶ前にスキャンすることです。飛び上がってから見つかったのでは遅いです。
ところで、このSERVICE BASED FAILURESにおける故障の発生確率は、フライト時間に依存するということでした。したがってフライトこなしていき、メンテナンスが近づくとどうしても故障が起きやすくなります。
メンテナンスを直近に控えた期間で、度々起こる故障に辟易してしまった場合は、このフライト時間の累計をリセットすることができます。
MENU > PMDG SETUP > AIRCRAFT > FAILURES > ALL SYSTEMS > MAINTENANCE
より、SERVICE ALLを押せばリセットできます。
ちなみにこのフライトの累計時間は、リペイントごとに分けて測られています。
私は、空飛ぶいそこさん(TWITTER: @flying_isoko)のANA JA710Aでフライトすることが多いです。よってほかのJA745Aなどと比べると次のメンテナンスまでの時間が極端に短いことがわかります。
またこれが0になったときどうなるかは後々わかるので、楽しみにしていてください。(JA710Aはあと25時間ほどのフライトで、この値が0になります。)
いかがでしたか? 何気なく使っていた機能が、ここまで面白いものだとは気付きませんでした。さすが何万も支払ったPMDG、味長持ちな感じがします。
SERVICE BASED FAILURESをENABLEにして、よりディープなフライトになればと思います。
ところで、このPMDG777、今月末にアップデートされるみたいです。EFB(ELECTRIC FLIGHT BAG)がとうとう実装され、Prepar3D
v4向けにPBRにも対応するそうです。もちろんバグフィックスも入ります。それでPMDG777はしばらくアップデートされなくなるみたいです。
また情報が来たら、いろいろと載せます。
それではまた!